シアトルタコマのおばちゃんブログ

アメリカ在住30年以上、現在シアトルタコマのあたりに住むおばちゃんのブログです。

日本のパスポートは世界一

日本の信用度

 

なんと「パスポートパワー」で、日本はシンガポールと共に世界1になったそうです。

 

www.msn.com

 

私たちがビザなしで行ける国は180カ国もあるそうです。すごいですねー。

つまり日本人は、世界でとても信頼されているということです。

 

 

ところで去年の秋、私が日本からアメリカへ戻ってくると、入国審査官から、

「なぜアメリカの市民権を取らないの?」と聞かれてしまいました。

 

一瞬「へ?」と思った私でしたが、

「アメリカの市民権を取っても取らなくても、私の状況はあまり変わらないからです」と答えます。

 

入国審査官は、ふーん・・・という反応。(可もなく不可もなくって感じ)

 

私は、正直に自分の考えを述べたのだけれど、これでは理解してもらえません。

普通(他の国の人たち)でしたら、アメリカのGCグリーンカード)を取得したら5年後にアメリカの市民権を取るからです。

また、私のGCは期限が無いので(つまり更新する必要が無い)それで聞かれたのかもしれません。

 

とにかく私は、アメリカに住んで30年以上、年2回日本へ帰ってますが、こんな質問をされたことはありませんでした。(9/11の時も)

テロ問題があるから?それとも個人的な興味?と思いましたが、

「私の日本の友人たちで市民権を取った人はあまりいません。日本とアメリカは良い関係にあるからだと思います」と付け加えます。

 

そして審査官は、表情も変えず、私のパスポートにポンと入国スタンプを押してくれたのでした。

 

今回の「パスポートパワー」ランキングで、日本は1位なのに、アメリカは5位です。

あの時「日本のパスポートの方がアメリカのより信用度が高いから」なんて言ってやれば良かった、などと思いましたが、自分の印象を悪くしてしまっては元も子もありませんね。

 

もちろん日本国籍を捨て(もしくは二重国籍のまま)アメリカの市民権を得る方々もおられます。

日本人妻で、子供は日本語を喋らないし、日本に行くことも無いから、との理由でアメリカの市民権を取った方もおられました。

 

また日本国籍のままで良かったという話もあります。

アメリカ人と結婚されたある日本人妻は、

「まさか娘が日本に住むことになるとは思わなかった」と言われました。

 

その娘さんは、日本語はちょっとしか話せず、父親が亡くなられた後も、母親と共にアメリカに住んでました。ある時、娘が、日本で生活してみたいと母親の親戚のツテで日本で仕事をすることになります。始めは数年でアメリカに戻ってくる予定でした。ところが日本人男性と結婚し、そのまま日本に留まってしまったのです。(お相手は高校の英語教師)

そうして時が過ぎ、アメリカ在住の母親は、年を取り、病気になります。

娘夫婦は母親を日本に呼び寄せ、最後まで手厚く看病したそうです。

 

ですから、アメリカに住んでいるハーフの子供で、日本語を話せなくても、将来はどうなるか分からないということです。

 

このように、日本人で移民のままの人が多いのは、

日本が、日本国籍を持ったままでいたいと思わせる国、信頼されている国だからでしょう。

 

ではなぜ日本が信頼されてるのでしょうか。

 

信頼されてる理由

 

その理由をいくつか上げてみました。

  • 時間や約束を守る:電車の時刻の正確さにも現れる
  • 車や電化製品:技術が素晴らしい
  • 犯罪が少ない:津波の時、流された金庫を取るのではなく届けた、など
  • 一応、親切:「おもてなし」の親切はよく知られている(一応なのは、利害関係がなかったり、知らない人だったりすると不親切になるから)
  • 美味しいものがいっぱいあって清潔:寿司はもちろんのこと、高級和食からおでんなどの庶民的なもの、お菓子の種類も多くて安心して食べられる
  • 文化:長い時間をかけて培われたものを現代でも大切に守っている

 

まだ他にもありますが、過去の日本人たちの努力や振る舞いによって得た評判も大きいと思います。

日本人は、今も昔も、勤勉さで知られています。

 

とはいえ、そうでなかった時期もありました。

  

日本は、いつも信頼されている国ではなかった

 

戦争時は別として、歴史的にも日本人の評判は良いのですが、一部の人々のために不評だった時もあります。

 

今や日本の技術は世界最高レベルですが、数十年前は、日本の製品の評判はとても悪かったそうです。(服もメイド・イン・ジャパンは低レベルだった)

また日本人が海外旅行に行き始めたころは、

お風呂の使い方を間違えてバスルームを水浸しにしたり、スープやパスタをズルズルと音を立てて食べたり(ツアーで大勢の人たちが一同に立てる音はかなり耳障り)所かまわずカメラで写真を撮ったりしました。

また「エコノミックアニマル」なんてあだ名を付けられたこともありましたし、日本がバブルのころアメリカでは「日本が自分たちの雇用を奪っている」と大変な騒ぎになりました。

 

ですから、信頼とは、努力し続けなければ、あっという間に失われてしまうものなのです。

 

私も、フィリピン人から「なぜ日本人は、自分の国が一番だと言うの?」と聞かれたことがあります。(彼はフィリピンでは医師だった)

またバブルのころ、日本人がハワイの土地を買い占めるので固定資産税が上がってしまいました。そして現地人が税金を払えなくなり、昔から住んでいる家を売らなければならなくなったと嘆いているニュースが流れると、

アメリカ人男性からは「日本はなぜそんな買い占めをするの?」と聞かれました。

 

それで私は、

フィリピン人には、

「有名大学を卒業し、大手企業に勤め、自分は偉いと勘違いしているバカな人たちを嘆いている日本人は多い」と答え、

アメリカ人には、

「急に金持ちになってお金の使い方を知らない一部の人たちが、日本の評判を落としている」と答えました。

 

フィリピン人は、ニコッと笑って頷いてくれましたし、

アメリカ人は、黒人の方だったので、

「分かる。一部の黒人の愚かな行いが、黒人全体に迷惑をかけてるのと同じだね」と言ってくれました。

 

ですから、今、日本のパスポートは世界1かもしれませんが、それにおごることなく、良い評判にふさわしい行動をしていきたい、と、おばちゃんは思ってます。

 

ではこの辺で、シータック!